認知症、行方不明について考える。

 先日、警視庁が「平成29年における行方不明者の状況について」を発表。

警察に届けられた認知症による行方不明者が1万5,863人となり、平成24年(2012年)の統計開始以来、5年連続の増加というニュースが流れました。

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 統計開始が平成24年、それまで大きく取り上げられる事が少なかったという事でしょうが、

ちょうどその頃、祖母が認知症を発症し、行方不明になる事がしばしば起こりました。

信じられないでしょうが、本当に突然家から居なくなってしまうのです。

 

 気がつけば、要介護と認定され、介護保険の適用により、様々な行方不明(ネガティブに表現すると、徘徊)対策品をおすすめされ、

利用する必要がありました。

GPSが装着された靴や、首に下げる端末。

 

 祖母は、これを一度として身につけて出かけたことがありませんでした。そして、その度に家族総動員で捜索が始まるのです。

ある時は近所のスーパー。ある時はパトカーに乗っていたり… 電車やバスにのってしまったらどうなるのだろう…

不安の連鎖が家族を襲います。

 当時両親は共働き、母が仕事、家事、そして介護を行っていたのですが、強靭な精神を誇っていたはずの母親の日に日に疲れ果てていく様を目の当たりにすることとなりました。

 

 GPSの携帯が難しいとなると、あらゆる衣類への名前書き込み、エマージェンシーカードをポケットに忍ばせてみたり、様々な工夫をやがて行うようになりました。

 ところが、エマージェンシーカードを捨ててしまったり、保護してくださった警察官の方へ衣類をみせる事に抵抗したりと、なかなか思うようにはいかない経験も致しました。もっとも辛いのは「家から出さないようにしっかり見なさい」と言われてしまう事でした。

特に精一杯介護していた母親は傷つくことも多かったように思います。

 

 そんな折り、ふとした気づきですが、認知症になっても、祖母は、ダイヤや真珠、貴金属アクセサリーを自身の宝物として認識しているシーンを目にすることがありました。

戦前生まれでモノが乏しい時代を生き抜き、頑張れば豊かになれる、その象徴として少しずつながら買い集めた装飾品を、まるで女の子のお姫様遊びのように大切に扱う祖母。

 閃きました! さすがに、本物を加工してという訳にはいかないですが、祖母が大切にしているプラチナ製のブレスレット。これを模したデザインで祖母の身元情報が第三者に分かってもらえたら…

 

 ブレスレットの開発については、また改めてブログを書かせていただこうと思いますが、

介護経験から考えると、行方不明の高齢者数は、ご家族や親族、親しい方から、届け出がなされている数値の統計であり、

推測するに全く身寄りのない状況の方や、老々介護、認々介護の状態のご夫婦など、介護者がいない場合を含めると、

数は更に多くなると考えます。

 

 そして、大切な事は行方不明ではなく、身元不明という状態が多く存在している事、

警察や介護施設に保護されながらも、ご自身の名前や、住所までも思い出せないまま生涯を終えられてしまう方が年々増加しているという事。

 

来年の今頃も,今年度よりさらに行方不明者数が増加と発表されることと思います。

祖母は認知症症状が進行し、日本でも非常にまれな脳疾患であった事がわかり、やがて長い植物状態ののち、天国へと旅立ちました。

もう3回忌も済みましたが、やがて父や母、ひいては自分自身も歳を重ね、祖母と同じような症状を発症するかもしれません。

 

 そうなる事は、本意ではないですし、悲しいと感じることでしょう。

しかし、もちろん介護真っ只中においては、肉体的、精神的にも疲弊することもありましたが、

今思うことは、家族が一つになれた良い経験だったなと。

私自身、子育て真っ只中ですが、注ぐ愛情は、自分も大切に育ててもらったように、受け継いでいくものなのだと。

 

 大切な肉親が、もし行方不明になったとしても、その時の備えで結果が大きく変わってくるのではないか…

そう考え抜いた、一つのアイデアが「ミモトブレスレット」には詰まっています。

2025年には、高齢者とされる世代比率がピークを迎え、様々な問題が起こってくるといわれています。

 

 私の両親も団塊の世代,そして我々団塊ジュニアが、将来を見据え、出来る事をやらなければ…

先日のニュースを見て、そう考えずにはいられなかったです。 

 

 

著者情報

アーカイヴジャパン株式会社-代表取締役 中島祐介-
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2018-06-29 | Posted in IDブレスレット, ブログ, 認知症No Comments »